MTバイクの操作方法を簡単解説!~バイク免許を取得する方は必見~

MTバイクの操作方法を簡単解説!~バイク免許を取得する方は必見~
この記事のおススメ読者

・マニュアルバイクの操作方法を知りたい方
・マニュアルバイクの免許取得を目指している方
・バイクのギアチェンジの必要性とエンジンの特性を知りたい方

 この記事では、マニュアルバイクの免許取得を目指している方に向けてマニュアルバイクの操作方法ギアチェンジの必要性、そして、エンジンの特性について紹介しています。
 初心者でも理解しやすいように説明を心がけているので、これからバイクを操ってツーリングしたいと考えている方はぜひ参考にしてみてください!
 ※この記事では、主にMT(マニュアル・トランスミッション)バイクを対象としてギアチェンジの操作方法を説明しています。

1. MT(マニュアル・トランスミッション)とギアチェンジの必要性について

 MTバイクの操作方法を知る前に、まずはギアチェンジの必要性を説明します。なぜMTバイクの場合、ギアチェンジをライダー自身で行う必要があるのか知っていますか?
 ギアチェンジの必要性を知ると、ギアの切り替え方法も頭に入りやすくなるので、最初に仕組みから見ていきましょう。考え方は意外とシンプルです。

 すぐにMTバイクの操作方法を知りたい方は以下までスキップしてください。

2.MTバイクの操作方法(ギアチェンジ)について

 

 まず、ギアチェンジの仕組みを知るために、簡単にトランスミッションについて触れる必要があります。トランスミッションというのは変速機のことをいいます。このトランスミッションは、エンジンとタイヤの間にあり、エンジンから発生する力(トルク)を調節してタイヤに伝える役割を果たしています。

 下の図のように、エンジンでトルク(タイヤを回す力)を発生させ、トランスミッション(変速機)がトルクを調節してタイヤを回しているイメージです。


エンジンからタイヤまでトルクが伝わるイメージ

 トランスミッションには、AT(オートマチック・トランスミッション)とMT(マニュアル・トランスミッション)があり、自動でトランスミッションを調整する場合はAT車、手動でトランスミッションを調整する場合はMT車となります。クラッチ操作でガチャガチャと切り替えるのがMT車の特徴です。

トランスミッションのPOINT

・トランスミッションは変速機のこと
・エンジンとタイヤ間のトルクを調整する
・MT車の場合、手動(クラッチ操作)で切り替える必要がある

 ここまで理解できた方は、次に変速比という考え方を知る必要があります。変速比というのは、エンジンの回転数とタイヤに向かう回転数の比のことをいいます。比が出てきたからといって、難しく考えなくても大丈夫です。

 変速比というのは、各ギア(1速~6速)で共通の考え方が存在します。例えば、1速の変速比=3.5というとトランスミッション(変速機)が1回転する間にエンジンが3.5回転していることを意味しています。

 この場合、タイヤの回転数よりもエンジンの回転数が多くなり、エンジンをたくさん動かすとタイヤが回転する状態を表しています。
 つまり、エンジンで発生させるトルク(タイヤを回す力)が大きい状態となります。この状態は発進時、加速時のエンジンとタイヤの関係に当てはまり、変速比の値は大きくなります。

 また、2つ目の例として、5速の変速比=0.7というものを考えてみます。これは、トランスミッションが1回転する間にエンジンが0.7回転していることを意味します。

 この場合、エンジンの回転数よりもタイヤの回転数が多くなり、エンジンをあまり動かさなくてもタイヤが回転する状態を表しています。
 つまり、エンジンで発生させるトルク(タイヤを回す力)は小さい状態となります。この状態は高速道路などでスムーズに走行しているときのエンジンとタイヤの関係に当てはまり、変速比の値は小さくなります。

 

 ここまで読んでも、まだピンとこない方は自転車のペダルを漕ぐことをイメージしてみてください。エンジンで発生させるトルクの大きさと変速比の関係性は自転車と同じ理屈です。


変速比の大きさとトルクの関係(自転車でのイメージ)

 上の図のように、坂道や漕ぎ始めは大きな力でペダルを踏ん張る必要があります。つまり、スピードが遅いと、進むために大きな力が必要となるため、トルクの大きい状態をつくりだす必要があります。

 反対に、スピードが出ている状態ではそこまで大きな力でペダルを漕ぐ必要もありません。つまり、スピードが速いとそこまで力は必要ないためトルクは比較的小さくなります。

 ここまでのことをまとめると、スピードによって必要なトルクの大きさが異なり、トランスミッションでのトルク調整量も異なります。

 つまり、MT車での「ギアの切り替え」=「トランスミッション(変速機)の切り替え」は、スピードに対するトルクの大きさを適切な状態にするために必要となります。

変速比のPOINT

・変速比はエンジンの回転数とタイヤに向かう回転数の比のこと
・1速の状態では変速比が大きく、エンジンでのトルク発生量も大きい
・5,6速の状態では変速比が小さく、エンジンでのトルク発生量も小さい

 

ここからは少し応用編

 自転車の例のように、坂道ではペダルを踏ん張る(トルクを大きくする)必要があります。そこで、以下の問いについて考えてみてください。

Question:上り坂でギアを4,5速にしているとパワーが足りずなかなか進まないという状況に陥ることがあります。この場合はどう対応すればいいでしょうか。※ヒント:自転車を想像するとわかりやすいです。

Answer

ギアを2速もしくは3速に落として走行する。

解説

 ある程度のスピードが出ている状態でも、上り坂ではトルク(踏ん張る力、タイヤを回す力)が足りなくなることがあります。この場合はギアを2,3速に変更するとトルクが大きくなるため、上手くスピードに乗って走るようになります。
 基本的に上り坂では2,3速で走り、スピードが出てきたら4速といったように切り替えることで上手く走行することができます。また、上り坂ではスピードが落ちるため、坂道に入る手前でギアを事前に落としておくと坂の途中でトルクが足りないといった状況には陥りにくいです。

 

2. MTバイクの操作方法(ギアチェンジ)について

 ギアチェンジの方法に触れる前に、大前提の知識として、アクセルやブレーキ、クラッチの位置を頭に入れておく必要があります。まずは下の図をざっくりと覚えてください。


バイクの操作位置(上から見たイメージ)

 バイクの右半分はアクセルやブレーキといった前進・停止操作がメインとなります。また、左半分はクラッチを使ったギアの切り替えに関わる操作となります。

 ギアチェンジの方法は、発進時と走行時で少しだけ異なりますが、まずは、発進時と走行時の大まかな手順について説明します。

発進時のギアチェンジ手順
 ※すでにエンジンがかかっており、N(ニュートラル)の状態にあることが前提です。
 ①左手:クラッチレバーを握る。
 ②左足:シフトペダルを使って1速に切り替える。
 ③右手/左手:アクセルを少しずつ回しながらクラッチレバーを徐々に離す。

 発進時の手順では①、②の操作は自分のタイミングで行えばよく、手順③で右手のアクセルと左手のクラッチレバーを使って少しずつ進んでいくような動きとなります。初めは難しいですが、難易度は低めです。

走行時のギアチェンジ手順
 ①右手:アクセルを戻す。
 ②左手:クラッチレバーを握る。
 ③左足:シフトペダルを使ってギアを上げる(もしくは下げる)。
 ④左手:クラッチレバーを離す。
 ⑤右手:アクセルを回してギアに対する回転数を調整する。(※これは感覚)

 走行時は手順が多いため、操作が複雑に見えますが、発進時の時と比較すると手順①のアクセルを戻す動作が増えているだけになります。ただし、走行時では手順①~⑤をほぼ同時に行う必要があるため、操作の難易度は発進時に比べると高めです。

手順⑤の「アクセルを回してギアに対する回転数を調整する」というのがわかりにくいかもしれません。ここでは、ギア付きの自転車を考えるとわかりやすくなります。例えば、ギア付き自転車のギアを2から3に切り替えた時に初めの数回は強めにペダルを漕いでギアにふさわしいスピードまで上げますよね。原理としては同じで、バイクの場合もギア切り替え後にアクセルを回してふさわしいスピードに合わせる必要があります。

 

2-1. 走行時のギアチェンジ操作を途中で止めた場合どうなるか

 ここから先はバイクのギアチェンジについて、もう少し知りたい方向けに、以下の①~④の各手順でライダーがもしも動きをぴたっと止めた場合、バイクがどのように振る舞うのかについて説明します。

走行時のギアチェンジ方法
 ①右手:アクセルを戻す。
 ②左手:クラッチレバーを握る。
 ③左足:シフトペダルを使ってギアを上げる(もしくは下げる)。
 ④左手:クラッチレバーを離す。
 ⑤右手:アクセルを回してギアに対する回転数を調整する。(※これは感覚)

のアクセルを戻した状態で止めた場合
  エンジンブレーキがかかりながらバイクの速度が徐々に落ちていきます。手順②のクラッチレバーを握らないと特定のスピードまで落ちたタイミングでバイクがガタガタ揺れだしてエンストします。

のクラッチレバーを握った状態で止めた場合
  クラッチレバーを握っているため、バイクはエンストしませんが、エンジンとの動力が切り離されているため、エンジンブレーキもかからず、地面とタイヤの摩擦のみで速度が落ちていきます。

のギアチェンジして止めた場合
  クラッチレバーを握っているため、②の場合と同じくバイクはエンストしませんが、ギアチェンジ後にクラッチレバーを徐々に離さないとギアチェンジ後の動力がエンジンに伝わらないため、②と同じように地面とタイヤの摩擦のみで速度が落ちていきます。また、仮に速度が落ちた状態でギアを上げた状態からクラッチを離すと、回転数が足りずにエンストする恐れがあります。

のクラッチレバーを離して止めた場合
  クラッチレバーを離すことでギアチェンジ後の動力がバイクに伝わっていきますが、ギアを切り替える少しの時間でエンジンの回転数が下がってしまうため、アクセルを回してギアに対する回転数を調整しないとギアチェンジ後の回転数に足りず、徐々にスピードが落ちてエンストします。

 ①~④の状態で止めた場合の動きをまとめると、クラッチレバーを握っている場合と握っていない場合の2パターンになります。

 クラッチレバーを握っている場合は徐々にスピードが落ちていくだけです。ただし、クラッチレバーを握っている間はエンジンブレーキがかからず、走行していたスピードに近い速さでコロコロとタイヤが回転するため、非常に危険です。

 クラッチレバーを握っていない場合は、特定のスピードまで落ちたタイミングでエンストします。

 

2-2. クラッチ操作の必要性

 ここまで読んできた方でも、そもそもクラッチ操作とは何なのか?と気になった方もいますよね。クラッチ操作はギアを切り替えるために必要な操作となりますが、走っている状態のままいきなりギアをガシャンと切り替えてはいけないのかと疑問に思う方もいるはずです。

 バイクのギアには、1速~5速(車種によっては6速)+N(ニュートラル)が存在します。クラッチの説明にはN(ニュートラル)がキーとなってきます。ニュートラルは文字通り、「中立」です。そのため、前に進むこともできれば、バイクに跨いだ状態で地面を蹴ると後ろに進むこともできます。

 ニュートラルというのはエンジンの回転がタイヤに伝わらないギアの位置となります。エンジンの動力と切り離された状態となっているため、ニュートラルの状態でアクセルを回しても進みません。

 走行時に無理やりガシャンとギアを切り替えることもできますが、エンジンが傷む原因になったり、エンストを起こす可能性もあるため、一度動力を切り離してからギアを切り替える必要があります。そのため動力を切り離すために、毎回ニュートラルの状態をつくりだす必要があります。
 つまり、クラッチ操作は疑似的にニュートラルの状態をつくりだす操作であり、エンジンの動力を一時的に切り離すために必要な操作となります。
 クラッチとニュートラルの違いは、動力の伝わり方を調整できるかどうかです。ニュートラルの状態は、エンジンの動力が完全に切り離されている状態ですが、クラッチレバーによる操作であれば、レバーの握り具合によっては動力が半分伝わるような状態をつくりだすことも可能です。これが「半クラ」というものです。半クラの状態ではゆっくりと車体が進むような動きとなります。
 発進時のクラッチレバーを徐々に離す操作は、徐々にエンジンの動力をタイヤへ伝えるために必要となります。

クラッチ操作のPOINT

・クラッチレバーを握るとエンジンの動力が切り離される
・疑似的にニュートラルの状態をつくりだすために必要
・半クラ状態では、エンジンの動力が半分タイヤに伝わっているような状態

 

まとめ

 この記事では、MTバイクにおけるギアチェンジの必要性とギアチェンジの流れ、そしてクラッチの必要性について説明しました。私自身、マニュアルバイクに乗る前は、ギアチェンジの仕組みについて訳が分からないことも多く混乱しましたが、バイクに触れる期間が長くなるにつれて、感覚ベースでわかってくることも多くありました。そこもバイクの醍醐味と言えるでしょう。

 この記事の内容が、これから教習所に通う方や初めてバイクに乗る方の助けになれば嬉しいです。バイクに興味のある方は、バイク免許を取得するところから始めてみてください!

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