【エストレヤ】価格高騰が止まらない！

　エストレヤの価格が2021年3月と比較するとさらに高騰しています。中型バイクではありますが、中古車でも100万円を超えるバイクの仲間入りとなりました。この記事では、そんな中型バイク『エストレヤ』の価格情報について紹介します。

　※エストレヤの価格情報を2021年3月時点のデータと2021年12月時点のデータで比較しながら紹介しています。

1. エストレヤの概要

　まずはエストレヤの概要についてみてみましょう。最終モデルの2017年式エストレヤ『ファイナルエディション』を例に、基本情報について見ていきます。

　エストレヤシリーズは、1992年から製造されており、カワサキのバイク車種では25年間販売された最長のロングセラーとなっています。オールドルックなデザインから漂う、クラシックな雰囲気が好きな人にはたまらないバイクですね。

　エストレアシリーズの最終モデルであるファイナルエディションは、カワサキから2017年に発売されたエストレアシリーズ最後の250ccバイクとなっています。エストレヤ ファイナルエディションは高級感あふれるワインレッドカラーをメインとしてデザインされており、現代的な雰囲気とクラシックバイクの雰囲気を併せ持ったハイブリッドバイクと言っても過言ではないと思います。

　このエストレヤ ファイナルエディションのデザインですが、同社カワサキのW650がモデルとなって製造されたと言われています。W650と比較してみるとわかりますが、外観はほとんど変わりません。（写真はブラックですが、ワインレッドカラーのW650も存在します。）また、パッと見た印象だとエンジン部分と2気筒なのが大きくエストレヤと異なる点になるかなというところです。最終モデルのファイナルエディションには、エストレヤだけでなく、カワサキのクラシックバイクファンの気持ちを震わせる様々な想いが込められたバイクになっていることを感じ取ることができると思います。

1-1. スペック

　クラシックバイクが好きな方は、第一にデザインも重視されると思いますが、スペックに関してもバイクと上手く付き合っていくには欠かせない要素ですよね。エストレヤ ファイナルエディションのスペックは以下の通りです。公式のHPを参照しました。ファイナルエディション以外のスペックについては、若干の違いはあれど、そこまで大きな差異は基本的にはないと思います。

※1：燃料消費率は、定められた試験条件のもとでの値です。お客様の使用環境（気象、渋滞等）や運転方法、車両状態（装備、仕様）や整備状況などの諸条件により異なります。

※2：定地燃費値は、車速一定で走行した実測にもとづいた燃料消費率です。

※3：ＷＭＴＣモード値とは、発進・加速・停止などを含んだ国際基準となっている走行モードで測定された排出ガス試験結果にもとづいた計算値です。走行モードのクラスは排気量と最高速度によって分類されます。

　重量に関しては中型バイクの中でも軽く、かなり取り回しがしやすいと思います。女性にとっては嬉しいポイントかもしれませんね。また、タンクには13Lものガソリンが入るため、長距離ツーリングでも燃料切れを気にすることなく楽しむことができます。ちなみにリザーブは2Lあります。さらに、シートの高さは73.5cmと他の車種に比べると低いため足つきもよく、初心者にもやさしいバイクであると言えます。

2. エストレヤの市場価格について（2021年12月時点）

　エストレヤ（Kawasaki）の概要を知ったところで、続いてエストレヤの市場価格について見ていきましょう。新車・中古バイク販売サイトで有名なグーバイクにおいて、エストレヤの価格や年式、走行距離などについて調査しました。

　エストレヤの在庫情報は以下の通りです（※2021年12月28日時点）。2021年3月16日時点の情報と比較で紹介します。価格[万]と年式、価格[万]と走行距離[km]を示すグラフについても、後述しています。

カワサキ エストレヤの価格相場 GooBikeバイク検索

https://www.goobike.com/cgi-bin/search/price_range.cgi?model=1040155

2-1. 数値比較

　まずは、2021年3月時点のデータと2021年12月時点の在庫情報を数値データで比較してみます。

　※2021年12月時点のデータについて、年式不明のバイク127台については、エストレヤが製造された1992年から2017年の平均年式をとって2004年としました。また、走行距離疑義車及び減算歴車18台については、190台（全208台 – 18台）の平均走行距離10887kmとしてグラフを作成しています。

　ちなみに走行距離疑義車とは、「中古車バイクを扱っているプロの目から見て、走行距離が本当に正しいかどうか疑念が残るバイク」のことを指します。また、減算歴車とは、オドメーターに表示されている走行距離が実際の走行距離より少ないバイクや自動車のことを指します。

　上記の在庫情報データより、12月時点で在庫台数については179台から208台と29台増加していることが分かります。また、平均価格、最低価格、最高価格ともに12月時点の方が増加していることが分かります。平均価格は9.9万円up、最低価格は3.6万円up、最高価格については24.01万円もupしています。

　中古車の在庫台数が増えているにもかかわらず、価格も上昇しているということは、明らかにエストレヤの価格自体が高騰しているといえるでしょう。また、最高価格に関しては110万円となっており、ついに100万円を超える中型バイクとなりました。100万円を超える車体はエストレヤの最終モデルであるファイナルエディションが見られます。ファイナルエディションについては、発売当初のメーカー希望価格586,300円を考えると、最高価格の110.00万円というのは2倍近い価格となっており、かなり価値が上がっていることが分かります。

　価格だけでなく、走行距離についても数値だけ見ると増加しています。エストレヤは排ガス規制の関係で生産終了となっており、すでに出回っているバイクのみとなるため、時間とともに走行距離が増加するのは当然だと考えられます。

　その他の情報として、12月時点では新車が2台存在していたため、もしかするとまだ新車を公開していないだけで、新車のエストレヤを所持しているディーラーやバイク屋がいるのかもしれません。（2021年3月時点で新車は見当たりませんでした。）

2-2. グラフ比較

　続いて、2021年3月時点と2021年12月時点の価格情報を年式と走行距離のグラフで比較していきます。

　まずは年式と価格変化に関するグラフです。

　全体的な傾向としてはこのグラフを見る限り、年式が新しくなればなるほど価格が高くなる傾向にあることが分かります。また、販売サイトを見ると、2014年モデルのスペシャルエディションや2017年モデルのファイナルエディションが比較的高価格で取引されている印象がありました。特に、ファイナルエディションは2017年最終モデルなので、他のエストレヤと比較すると状態がいいものが多く、走行距離も10000㎞を超えるバイクが少ないので、かなり高価格で取引されていました。

　エストレヤの価格および、年式に関する結果としては、2021年12月時点の平均価格は63.7万円、平均年式は2005年です。2021年3月時点の情報と比較すると平均価格は9.9万円上昇、平均年式は2008年から2005年へ減少していることが分かります。2021年3月時点は年式不明のバイクが57台だったのに対し、2021年12月時点では年式不明のバイクが127台と2倍以上になっていることから平均年式は2008年から2005年と減少してしまいました（年式不明のバイクについては2004年として平均を計算しています。）。また、2021年3月時点では、2013年式以降のバイクが72台存在していたのに対し、2021年12月時点では、2013年式以降のバイクが32台と減少していることも原因となっています。

　この結果からも、古いバイクを2021年3月以降に比較的古い年式のエストレヤの売却する人が多く、年式の新しいバイクは買われる傾向にあることの分かりました。バイクも価値の変わりにくい資産として、比較的新しい年式のバイクを投資目的で購入される方もいるのかもしれません。

　続いて、走行距離と価格に関するグラフです。

　2021年12月時点の平均価格は63.7万円、平均走行距離は10887kmとなりました。このグラフを見る限り、走行距離が多ければ多いほど、価格は減少する傾向にあることが分かります。このことは一般的に、バイク全般で同じことが言えますが、エストレヤの場合は走行距離が20000km以上でも30万を超えているものがかなり多く、走行距離20000km以上のバイク30台の平均価格は45.57万円でした。

　ちなみに、走行距離が5000km以下のバイク69台の平均価格を計算すると77.66万円となりました。また、走行距離10000km以下のバイク117台の平均価格は73.98万円、走行距離15000km以下のバイク157台の平均価格は68.09万円でした。さらに、 発売当初のメーカー希望価格586,300円を超えるエストレヤは208台中138台もありました。

　これらの数値を見ると、エストレヤの価格が高騰していることがはっきりと分かります。今後、価格がどのように変動するのかは誰にも分からないので、エストレヤを売りたいと思っている方は今がチャンスということは間違いなさそうです。

　もしもこのタイミングでご自身のバイクを手放したいと考えている方は、以下の記事を参考にしてみてください。愛車を少しでも高額買取してもらえるようなポイントと具体的な公式サイトを紹介しています。

3. エストレヤ価格高騰の理由

　では最後に、エストレヤの価格が高騰し続けている理由について考えてみましょう。2021年3月時点ではエストレヤ高騰の理由として、以下4つの理由をピックアップしていました。

• エストレヤの生産終了＆新車完売
• インフルエンサーの影響
• コロナ禍によるバイク需要の増加☆
• 中高年ライダーのリターン

　上記のどの理由も価格高騰の1つの要因として当てはまると思いますが、これらの理由の中でも筆者は特にコロナ禍によるバイク需要の増加による影響が大きいと考えています。なぜなら、エストレヤに限らず、市場に出回っているバイクの価格そのものが全体的に上昇しているからです。

3-1. コロナ禍によるバイク需要の増加

　新型コロナウイルスが蔓延し、3つの密「密閉・密集・密接」を避けるために、生活様式が大きく見直されました。通勤や通学時の移動手段を見直した方も多いと思います。また、コロナ禍でもできる趣味としてバイクに目を向けた方も少なくないと思います。バイクはヘルメットをかぶっているので密にはならず、運転するだけで気分転換にもなるので比較的ハードルの低い趣味に該当するのではないでしょうか。

　バイクに注目が集まり、バイク自体の需要が高まると必然的に価格も上昇します。バイクの一つである中型バイクに目を向けた消費者も多くなることでエストレヤの価格も上昇していったことは大きな理由として考えられるでしょう。中型バイクに目を付ける理由としては、車検がかからないといった理由や、いきなり大型バイクを取得するのはハードルが高いと思う方にはちょうどいいバイクになると思います。

　バイクの価格が上昇する理由として、SNSの影響や中高年ライダーのリターンによる需要の増加も挙げられると思いますが、それらの理由はコロナ禍に付随する影響だと思われます。例えば、コロナで外出する機会が少なくなった方も多いのでSNSで時間をつぶす方も多いと思います。その中でバイクに出会い、新たにバイクにチャレンジするライダーや再びツーリングを楽しむライダーもいるでしょう。また、若者だけでなく、中高年の方も再度楽しみを求めて乗る方が増えたことも考えられるでしょう。バイク需要が大きく高まっていることを考えると、需要増加の背景として新型コロナが影響していることは主な理由になると思います。

まとめ

　本記事では、エストレヤの価格高騰について、大手バイク販売サイトの価格情報を参考に調査し、2021年12時点での価格を分析してみました。エストレヤの平均価格は63.7万円で最高価格は110.00万円（2021年12月28日時点）となっており、価格が高騰し続けていることは2021年3月時点の情報と比較しても明らかといえるでしょう。

　エストレヤの価格高騰の主な理由としては、新型コロナによって生活様式が変化し、バイク全体の需要が高まっていることが考えられます。中型バイクだけに限らず、バイクの価格については、メーカーの希望販売価格ではなく、オークション価格として売られることが予想されるので、バイクの需要が高まればさらに価格が高騰する可能性はあるでしょう。

　今後のバイクが持つ価値とエストレヤの価格に期待です。

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