【確定申告】アルバイト・パートは還付金が受け取れる可能性大!?関連用語~申請手順を簡単解説!

【確定申告】アルバイト・パートは還付金が受け取れる可能性大!?関連用語~申請手順を簡単解説!

 確定申告年末調整。これらの単語、そもそもどういう意味でどういう仕組みかいまいち分かっておらず、難しいと思っていませんか?この記事では、確定申告や、確定申告と関連度の高い年末調整、また、確定申告方法について簡単に紹介します!

 筆者は実際に、申請時点から2年前と3年前の2年分の源泉徴収票をもとに、自身で調べながら確定申告書を作成し、税務署で確定申告をして約5000円ほどの還付金を手にすることができました。学生は簡単に申告できるので、最後まで目を通してみてください。特にバイトを何個か掛け持ちをしている方は、税金を無意識のうちに払いすぎている可能性が高く、還付金を受け取れる可能性は大です!

 2,3年前のものでも申請可能?還付金って何?と思われた方も簡単に説明しているので、もやもやしている方は最後まで読んでみてください。

1. 各用語の簡単解説

 ここでは、確定申告から、確定申告に関連する用語を簡単に解説します。

1-1. 確定申告とは

 確定申告とは、前年1年間(1月1日~12月31日)で所得のあった人が所得税を計算し、原則として翌年2月16日から3月15日の期間内に税務署に確定申告書を提出することで税金を納める手続きのことを言います。この手続きは、ただ税金を納めるというものではなく、払いすぎた税金を適切に対処します。つまり、所得税に対して納める税金が少なければ、その分を追加で納め、税金を払いすぎていた場合はその分のお金が返ってくることを意味しています。後に述べますが確定申告をして返ってくるお金のことを還付金と言います。

 ※平成25年(2013年)1月1日から令和19年(2037年)12月31日までの25年間は、所得税に加えて、復興特別所得税が税金に含まれます。復興特別所得税の詳細は割愛しますが、東日本大震災の復興のために施行されている税制度と考えていいでしょう。

1-1-1. 確定申告の対象者

 確定申告の対象者は大きく分けると以下になります。

給与所得がある方

・年間の給与収入が2,000万円を超える方
・メインの給与収入が1か所で、給与所得及び退職所得以外の所得(副業など)の合計金額が20万円を超える方
・メインの給与収入が2ヶ所以上で、年末調整を受けなかった給与とその他の所得の合計金額が20万円を超える方
・同族会社の役員や親族に該当し、同族会社から給与をもらっていて、給与以外に資産の賃貸料などの支払いを受けた方
・災害減免法による源泉徴収税額の徴収猶予や還付を受けた方
・源泉徴収義務のない者から給与等の支払を受けている方

公的年金等にかかる雑所得のみがある方

 公的年金等(国民年金や厚生年金、共済年金)に係る雑所得の金額から所得控除を差し引くと、残額がある方

※公的年金等の収入金額が400万円以下の場合、確定申告する必要はありません。また、公的年金が400万円を超えることは稀であり、年金受給者の大半は確定申告の必要がありません。

退職所得がある方

 通常であれば退職金は源泉徴収されているため、確定申告の必要はありませんが、外国企業から受け取った退職金などの源泉徴収がされていないものに関しては確定申告をする必要があります。

その他

 個人事業主やフリーランスなど、収入から経費を差し引いた各種の所得の合計額が38万円を超える方

 

1-1-2. ケース別にみる確定申告の対象者

 上記の確定申告対象者を見てもピンとこない方もおられるので、確定申告をしないといけないかどうかを簡単なケース別にみてみましょう。

ケース① 学生がアルバイトを掛け持ちしている場合(2つ)

 条件:主たる給与所得が年60万円(年末調整を行った)

    従たる給与所得が年30万円(20万を超える!)

確定申告必要

ケース② 学生がアルバイトを掛け持ちしている場合(3つ以上)

 条件:主たる給与所得が年50万円(年末調整行った)

    従たる給与所得1⃣が年15万円

    従たる給与所得2⃣が年10万円(1⃣+2⃣=20万円を超える!)

確定申告必要

ケース③ 学生が1つのアルバイトをしている場合

 条件:主たる給与所得が年100万円(年末調整を行った)

確定申告不要

ケース④ サラリーマンが副業をしている場合

 条件:サラリーマンが副業で年20万円を稼いだ。

    副業の経費として年2万円使用した。

 ⇒確定申告不要(所得=収入-必要経費となるため不要。この例の場合、副業所得=20-2=18万円≦20万円となる。)

1-2 年末調整とは

 続いては確定申告対象の有無にかかわる年末調整について見ていきましょう。

 年末調整とは、給与やボーナスに対して徴収される源泉所得税の1年間の合計と年収に対する年税額の不一致を精算する手続きのことを言います。

 「んっ?いまいち分からない。」と思われた方もいますよね。 わかりやすく言うと、まず個人の所得にかかる税金は所得税と住民税の2種類があり、所得税は国に、住民税は地方に納める税金となっています。所得税は、1年間(1月1日~12月31日)の所得に対して納める税金となるのですが、翌年の確定申告期間に所得税を計算して一括で納めるのではなく、毎月の給与やボーナスから、見込み年収が計算されて所得税が天引きされています(これが毎月の源泉所得税です)。この天引きされている年間の所得税の合計と、実際の年収に対する所得税の差を精算する手続きのことを年末調整と言います。年収に対する所得税が、毎月の源泉所得税を上回っていれば、追加で納税する必要があり、下回っていれば、その分の税金の還付を受けることができます。

 では、この年末調整は誰が行うのでしょうか?

 アルバイトをする学生や会社に勤務する一般的なサラリーマンは、自身で年末調整をしたことがありませんよね。そうです。この年末調整は、雇用される側ではなく雇用主が行う手続きとなっています。つまり、上記で説明した年末調整の手続きを会社が代わりにしてくれるということです。この年末調整は1つの会社でのみ実施されるので、いくつか掛け持ちで収入を得ている方は自身で確定申告を行わないといけないということになります。

 学生やパートさんなら、バイトをしていると年末調整を行ってもいいですか?と尋ねられた経験があると思います。どうして聞かれるかというと、バイトを掛け持ちしていたり、勤務先が複数存在する場合、複数の会社で同時に年末調整を行うことができないためです。例えば、AさんはX社とY社に勤務しているとします。X社は、AさんがY社からどれだけの給与をもらっているのかを正確に把握できず、Y社も同様にX社からどれだけの給与をもらっているのか分かりません。さらに勤務先が多くなると余計に年末調整が複雑になってくるため、基本的に年末調整を行うのは1社となっています。そのため、複数の勤務先から給与をもらっている場合は、自身で年末調整を行う会社を決定し、年末調整を行っていない勤務先に関しては、確定申告を行う必要があるかどうかを判断する必要があります。

 確定申告対象者は、1-1. 確定申告とはで述べたとおりです。

1-3 還付申告とは

 確定申告、年末調整については理解できましたか?単語の意味は大体理解できたけど、実際に源泉徴収票を見て、どういうときに還付金を受け取ることができるのか分からないという方も多いと思います。では続いては、還付申告と還付金を受け取ることができる条件について見ていきましょう。

 還付申告とは、自身の年収に対して納めすぎた所得税を払い戻したり、年末調整では処理されない控除を適切に処理する手続きのことを言います。簡単に言うと、還付金を受け取るための申告です。

 還付金を受け取るための条件はいくつかあるのですが、ここでは複数の勤務先がある学生やパートさん向けに簡単に説明します。

 一般的な学生やパートさんであれば、源泉徴収票と年収が分かればほぼ確実に還付金を受け取れるかどうかを判断することができます。

 まず手元に源泉徴収票を用意し、右上部分に記載されている源泉徴収税額を確認します。

 続いてはあなたの大体の年収が関わってきます。年収が103万円を超えているかそうでないかです。103万を超えている場合は超過した分に対して所得税がかかってきます。例えば113万円の場合は超過した10万円に対して5%の所得税率をかけ、5000円の所得税を支払う義務が生じます。103万円を超えていると自身だけでなく親にも影響を与えてしまう(扶養控除等)ので、しっかりと稼げないのであれば超えないほうがいいですね。逆に、年収が103万円を超えないのであれば、源泉所得税に記載されている金額が還付金として手元に戻ります。

 その他にも、1-2. 年末調整とはと関連して、年末調整を会社に行ってもらっていても還付金を受け取ることができる場合があります。それは、特定の控除を受ける場合です。年末調整で処理される所得控除は限られており、雑損所得や医療費控除、ふるさと納税等の寄付金控除といった所得控除は年末調整では処理されません。そのため、ふるさと納税をしているのであれば、別途控除申請として還付申告を行う必要があります。ふるさと納税の確定申告方法は以下の記事で詳しく説明しています↓

1-3-1. 還付申告の提出期間

 この還付申告ですが、5年間の期間内であれば申告をすることが可能となっています。例えば、令和2年分の還付申告をするのなら、令和3年1月1日から令和7年の12月31日までに申告書を提出すればよいということになります。この記事の作成時点は令和2年なので、令和2年の12月31日までにできる還付申告としては、平成27年分のものまでさかのぼって過去分の申告をすることができます。平成27年時点で勤務実績のある方で、還付申告を行っていない方は、今一度自身の源泉徴収票(源泉徴収税額)をみてみるのもよいでしょう。

 私は、実際に過去分(2,3年前)の源泉徴収票と年収より、還付申告をすることで5,000円ほどの還付金を受け取ることができました。例えばあなたが2つ以上のバイトを掛け持ちしており、その合計年収が103万円以下である場合は還付申告ができます。この記事を読んだあなたは、還付申告をして納める必要のない税をしっかりと回収しましょう!もちろん、確定申告対象者なのに確定申告を行っていないのであれば、しっかりと手続きを行う必要がありますよ。

2. 確定申告の流れ

 ここまで読み進めていただいた方なら、確定申告に関わる基本的な用語は大体理解できたと思います。それでは、ここからは確定申告の流れについて説明します。手順は以下の流れになります。

  • 国税庁の確定申告サイトに移動する。

所得税の確定申告|国税庁

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/kakutei.htm
  • 個人の確定申告書長の作成より、「確定申告書等の作成はこちら」ボタンをクリックする。

 

  • 申告書等を作成するより、「作成開始」ボタンをクリックする。

 

  • 提出方法を選択できるので、「e-Taxで提出 マイナンバー方式」、「e-Taxで提出 ID・パスワード方式」、「印刷して提出」のどれかをクリックする。

ID・パスワード方式について

https://www.e-tax.nta.go.jp/kojin/idpw.htm

マイナンバーカード方式について

https://www.e-tax.nta.go.jp/kojin/mycd_login.htm
  • 確定申告書を提出するためのPC環境設定等の事前準備に進むため、設定後、「利用規約に同意して次へ」をクリックする。
  • 申告年度を選択し、対象の税を選択してボタンをクリックする。

 

  • 最後に対象の申告書を選択して「作成開始」をクリックします。

 ここまでくれば、質問に答えながら少しずつ進めるだけで申告書が作成できるはずです。私の場合は「印刷して提出」を選択して申告書を作成したので、コンビニで申請書をプリント後、税務署の窓口まで行く必要がありました。窓口で提出する場合は、忘れてはいけない持ち物があるので記載しておきます。

  1. 作成した確定申告書
  2. 印鑑
  3. 身元が確認できるもの(免許証等顔写真が載っているもの)
  4. 申告年度分の源泉徴収票

 以上で申告の流れは終わりです。お疲れ様でした。

 申告が正しく行えていれば、大体1~2か月後に申告した税務署から国税還付金振込通知書というものが郵便はがきで届きます。

まとめ

 確定申告というと難しく考えがちですが、しっかりと向き合ってみると意外と誰でも簡単にできる申告です。申告書作成や書類と向き合うのが面倒ですが、確定申告の対象者は納税という意味で義務になるので、忘れずに申告するようにしましょう。パートさんやアルバイトをしている学生さんは、特に還付金を受け取れる可能性が高いので掛け持ちしているのであれば、会社からもらう源泉徴収票を見直してみるのもいいでしょう。

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