【冬ツーリング】快適に楽しむポイントまとめ!冬特有の注意点と対策、メリットデメリットをこの記事に凝縮!
はじめに伝えておきます。冬のツーリングはメリットよりもデメリットの方が多いです。しかし、冬の特性、冬のツーリングについて理解し、しっかり対策すれば、冬ならではのツーリングを快適に楽しむことが可能です!
冬にバイクで出かけたいと思っても、寒くて駐車場に止めているだけの方も多いのではないでしょうか。バイク乗りなら誰もが思う、冬のツーリングにおける最大の敵は「寒さ」です。
冬という季節にはもちろん四季が関係しているのですが、四季をつくっているのは地球と太陽の位置関係であり、冬ならではの注意ポイントもいくつか存在します。
この記事では、そんな冬の特性から冬のツーリングにアプローチすることで、冬特有のデメリットを可能な限り排除し、冬ツーリングを快適に楽しむポイントについてまとめています。
1. 冬ツーリングの注意ポイント9選とその対策
冬のツーリングは「寒い!」だけでなく、「危ない!」がたくさん潜んでいます。まずは、冬特有のデメリットや注意ポイントを9つ紹介します。冬のツーリングを快適に楽しめるように、デメリットや注意ポイントへの対処法についても紹介しています。
1-1. 冬は寒さが最大の敵、体感温度に注意
冬は何といっても寒さが最大の敵となります。外出するだけで寒い冬に、風を切るバイクで走り回ると凍える寒さになるのも当然です。
まずは以下の体感温度計算ツールを触ってみてください。計算ボタンを押すと入力した数値から体感温度を算出します。例えば、気温5℃、湿度50%の条件の中、60km/h(約17m/s)で走行すると体感気温はなんと-10℃以下となります。バイクで走っている間、ずっと氷点下の中にいることを考えると、体が凍えてしまうのは当然のことでしょう。
項目 | 入力値 | 単位 |
気温 ( -100~100 ℃ ) | ℃ | |
湿度 ( 0~100 % ) | % | |
風速 ( 0~95 m/s ) | m/s | |
体感温度 | ℃ |
時速[km/h] | 秒速[m/s] | |
10.0 km/h | ⇔ | 2.78 m/s |
20.0 km/h | ⇔ | 5.56 m/s |
30.0 km/h | ⇔ | 8.33 m/s |
40.0 km/h | ⇔ | 11.11 m/s |
50.0 km/h | ⇔ | 13.89 m/s |
60.0 km/h | ⇔ | 16.67 m/s |
70.0 km/h | ⇔ | 19.44 m/s |
80.0 km/h | ⇔ | 22.22 m/s |
90.0 km/h | ⇔ | 25.00 m/s |
100.0 km/h | ⇔ | 27.78 m/s |
110.0 km/h | ⇔ | 30.56 m/s |
120.0 km/h | ⇔ | 33.33 m/s |
体感温度計算ツールを触っていただくと分かりますが、気温が10℃でも60㎞/hで走行すれば体感温度は氷点下となります。追い風や向かい風によって若干の変動はありますが、冬にツーリングをする際は、必ずツーリング当日の気温を把握しておきましょう。
何度まで下がっても耐えられる格好なのか、ツーリング前にしっかりチェックしておくのがいいでしょう。ツーリング時間が長ければ長いほど体感温度も下がってくるので、場合によってはいつもより服を着こむことも必要です。
防寒対策について
冬場は特に手足が冷えやすいです。冬場の寒さを乗り越えるための防寒具について、体の各パーツごとに見ていきましょう。
●手の防寒対策
①電熱インナーグローブ
②ライディング用電熱グローブ
③オーバーグローブ
④グリップヒーター
⑤ハンドルウォーマー
●手首の防寒対策
①リストウォーマー
②ガントレットグローブ
●首の防寒対策
①ネックウォーマー
●腕・胴体・脚の防寒対策
①レイヤリング(ベースレイヤー、ミッドレイヤー、アウターレイヤー)
②電熱ウェア
●膝の防寒対策
①ニーウォーマー
●足首の防寒対策
①アンクルウォーマー
手の防寒対策 その1
手は安全運転をするためにも非常に重要な役割を担っています。
クラッチやアクセル、フロントブレーキを担っているので、寒さで手が動かしにくくなると運転に直接支障をきたします。例えば、寒さで握りが甘くなると、ギアチェンジが雑になったり、ブレーキの利きが悪くなってしまいます。
そんな手を寒さから守るものが電熱インナーグローブです。電熱インナーグローブには、バイクにコードを直結して使用するタイプのものもありますが、グローブに小さなリチウムイオン電池などを搭載しているタイプやUSBで充電できるタイプのグローブもあります。
コード直結タイプは、バイクの乗り降りの際にコードを外すのが面倒なので、電池内蔵型の電熱インナーグローブがおススメです。少し大きなグローブを使用している方なら、普段使用しているグローブの下に電熱インナーグローブを仕込ませることも可能です。
手の防寒対策 その2
インナーグローブ以外にも、ライディング用グローブとしての機能を併せ持った電熱グローブも存在します。こちらの電熱グローブは温度調節機能はもちろん、ナックルガードも機能しているので、手の安全性も確保できます。このタイプの電熱グローブは、ライディング以外にも雪かきに使用したり、スキーや釣りといったアウトドアにおいても活躍させることができます。
手の防寒対策 その3
電熱インナーグローブ、電熱ライディンググローブの次は、オーバーグローブです。オーバーグローブの使い方としては、普段付けているグローブの上から覆い被せるように装着します。
オーバーグローブ自体には手を暖める効果はありませんが、電熱インナーグローブや電熱ライディンググローブと併せての使用が可能です。そのため、内側のグローブに対して風よけの機能を果たし、電熱グローブ本来の効果を持続させることができます。特にウエットスーツ素材を使用したオーバーグローブは保温効果に優れており、冷たい冬の空気から手を守ってくれます。
手の防寒対策 その4
ここまでは手に直接装着するグローブタイプの防寒グッズを紹介してきましたが、バイクに取り付ける防寒対策もあります。その代表的な方法がグリップヒーターです。グリップヒーターは、普段グリップしているハンドル部分にヒーターを巻き付けることによって手の内側から暖めてくれる防寒グッズです。
USBポートをバイクに取り付けている場合は、USBタイプのグリップヒーターもあるため、導入を検討してみるのはいいでしょう。
グリップヒーターを購入する場合、バイクの車種によっては上手く機能しないものもあるので、必ず製品の説明文や注意点をしっかり読んでから購入するようにしてください。
手の防寒対策 その5
最後に紹介する手の防寒グッズは、ハンドルウォーマーです。ハンドルウォーマーは、グリップ部分に取り付けるタイプの防寒グッズで、走行時の風によって手が冷えるのを防いでくれます。
乗り降りのたびに電熱グローブの電源を入れるのが面倒な方はこちらのハンドルウォーマーの導入を検討してみましょう。冬はグリップヒーターとハンドルウォーマーを組み合わせて使用することで、普段使いのグローブをそのまま使用しながらも効果の高い防寒対策が実現できます。
手首の防寒対策
手首の防寒対策は怠りがちです。長時間走行していると、グローブと長袖の間から走行時の冷気が入り込み、気づかないうちに手首が冷えて動かしにくくなります。
寒さで手首が硬くなるとスピード操作(アクセル)に影響を与えてしまうので、手首を暖める効果のあるリストウォーマーやガントレットグローブを検討してみましょう。普段使いのリストウォーマーはリストバンドを大きくしたような見た目ですが、手首の動作を妨げにくく作られたコミネ(KOMINE)のバイク用リストウォーマーも存在します。
電熱グローブとリストウォーマーを別々に装着するのが面倒な方は、ガントレットグローブがおススメです。特にNAPA(ナパ)のガントレットグローブは、比較的柔らかい鹿革素材であり、牛革のように濡れても硬くなりにくく、グローブの厚みでグリップしにくくならない点がおススメです。
その他にはデイトナ(DAYTONA)やデグナー(DEGNER)のガントレットグローブがおススメです。メーカーや商品によっては少し大きめに作られているため、購入時は少し大きくても問題ないか、ハンドル操作をしっかりイメージしてから購入するようにしましょう。
首の防寒対策
首の防寒対策はネックウォーマー一択です。マフラーもいいですが、走行時の風でマフラーが飛んで行ってしまうと他の走行車に迷惑がかかるだけでなく、かなり危険なので、首元を暖める場合は可能な限りネックウォーマーを使いましょう。
お気に入りのマフラーをどうしても使いたい方は、マフラーを首に巻き付けた後、しっかりと上着の中に入れて固定し、風で飛んでいかないように工夫しましょう。
腕・胴体・脚の防寒対策 その1
胴体部分の防寒については、レイヤリングの知識を身に付けることでバッチリ対策できます。
レイヤリング(layering)という言葉は、レイヤー(layer:層)を積み重ねることを意味しています。つまり、ここでいう層とは衣類のことであり、「重ね着」を意味しています。
レイヤリングは衣類で層を作ることですが、この層の作り方が重要になってきます。層は主に、ベースレイヤー、ミッドレイヤー、アウターレイヤーの3つで構成されます。
まず最初にベースレイヤーについてです。ベースレイヤーは基本的に肌着と考えていただいて問題ありません。しかし、ベースレイヤーの役割は水分(汗)を蒸発させることなので、吸湿性と速乾性に優れているものを使用しましょう。
吸湿性・保湿性に優れている素材はウールや綿です。綿は一度濡れてしまうと乾きにくく体を冷やす原因となるので、綿よりも暖かくて保湿性のあるウール素材が入っているものがおススメです。
そして、速乾性に優れているのはポリエステルです。保湿性、速乾性のどちらを重視するかは使用用途やベースレイヤーの成分割合をみて判断するようにしましょう。
ベースレイヤーは肌に直接触れるため、消臭効果があるものやメッシュ編み構造の商品も人気です。
続いてミッドレイヤーです。ミッドレイヤーはベースレイヤーとアウターレイヤーの中間に着込みます。ミッドレイヤーはアウトドアの種類によって2つの用途に分かれます。1つ目はアクティブ型でミッドレイヤーの速乾性・通気性を重視するタイプです。よく体を動かすシーンではベースレイヤーからの水分を素早く外へ出してあげることが大切になります。
2つ目はレスト型で、保温性を重視するタイプです。バイク乗りの方は運転時の保温を想定しているのでこちらが該当します。ベースレイヤーとミッドレイヤーの間に暖かい空気の層を作り、熱を外へ逃がさないことが大切なのでミッドレイヤーには保温性の高いウェアを選択します。
保温性の高いミッドレイヤーとしては、フリース、ナイロン・ポリエステルなどの化学繊維、ダウンのジャケットが該当します。暖かさの度合いでいうと、ダウン > 化繊 > フリースになります。化繊のミッドレイヤーは汎用性が高いので1つ持っておけば活躍するシーンも多いです。
ダウンはユニクロのウルトラライトダウンがおススメです。
最後はアウターレイヤーです。アウターレイヤーは一番上に着るものであり、役割としては防雨・防雪・防風です。
アウターレイヤーには、防水性や撥水性に優れるゴアテックスのアウターがかなりおススメです。防水効果があるものはもちろん防風効果もあるので、機能性にもこだわって選ぶと快適なツーリングが楽しめます。アウターレイヤーについては、お気に入りのダウンを着て走行するのも良いでしょう。
レイヤリングの知識を正しく身に付けることで格段に防寒レベルが上がるので、いつも寒いと思っている方は積極的にレイヤリングを取り入れてみましょう。
腕・胴体・脚の防寒対策 その2
レイヤリングでの防寒対策よりも暖かさを重視する方は電熱ウェアがおススメです。電熱ウェアは中に着込むインナーウェアであり、バッテリータイプのものやバイク直結タイプのものが存在します。
コミネ(KOMINE)のバイク直結タイプの電熱ウェアは、手・胴体・脚部分をそれぞれ連結させることで全身を暖めることが可能です。12Vバッテリー以外には使用できないので商品の説明文をしっかりと確認してから購入しましょう。こちらの商品はグローブが不評なので、上下セットで購入し、手の防寒対策は別の方法を検討してみるのが良いでしょう。
膝の防寒対策
膝は冷えると硬くなり、信号待ちなどで車体を支えるシーン、バイクから降りるシーンで重力がそのまま膝へのダメージとなり膝に響きます。
そんな膝の防寒対策にはニーウォーマーが活躍します。ニーウォーマーを使うと、暖かいだけでなく、膝へのダメージも軽減することができます。骨が集まっている部分は特に冷えやすいので、冷えやすい方はニーウォーマーを使用するといつもより快適なツーリングを楽しめるはずです。
足首の防寒対策
手首や膝は冷えやすいですが、足首も冷えやすい体の一部です。足首を暖めるグッズにはアンクルウォーマーというものが存在します。アンクルウォーマーの使い方は簡単で、靴下の上から足首を覆うように装着します。
靴との相性によっては、アンクルウォーマーを装着すると靴が履けなくなることあるので、ブーツなど、靴自体に足首を暖める機能を備えているものはアンクルウォーマーは不要です。アンクルウォーマーが不要な方は靴下の重ね着を検討してみましょう。
1-2. 山ツーリングは控えよう
ツーリングと言えば、山ツーリングも人気ですが、冬の山は寒いだけでなく、危険も潜んでいます。
まず寒さについてですが、国際標準大気では標高が1000m上がると空気の温度が約6.5℃下がると定義されています。つまり、標高が100m上がると気温が約0.65℃下がるということです。この理論は標高約11㎞まで適用することができるので、世界一の山であるエベレストが9㎞以下であることを考えると、地上を走るバイク乗りであれば基本的にはこの理論が適用されます。
以下のツールで標高と気温の変化を計算することができます。あらかじめ、ツーリングをする山の標高が分かるのであれば、どれくらいの気温なのか調べておきましょう。
項目 | 入力値 | 単位 |
海抜0mでの気温 ( -100~100 ℃ ) | ℃ | |
標高 ( 0~11000 m ) | m | |
標高での気温 | ℃ |
上記で計算した気温は単純にその場に立っているときの参考気温になるので、ここに向かい風やバイクの速度を考慮すると体感温度はさらに下がります。
上記で計算した標高をバイクで走行しているときの体感温度を知りたい方は、体感温度計算ツールで遊んでみてください。
山に潜む危険については考えれば当然のことですが、山はカーブが多いのでスピードをそんなに出していなくても路面が凍結していればカーブ途中で簡単にスリップします。また、凍結防止剤の粉が道路にまかれていることがありますが、バイクやタイヤの種類によってはその上を走行した時に滑る原因となってしまいます。スリップして崖の外まで追いやられるとシャレになりません。
何度も言いますが、冬の山は寒いだけでなく多くの危険も潜んでいるので、冬の山ツーリングはおススメできません。
余談にはなりますが、路面凍結防止剤(融雪剤)は塩化ナトリウム(塩)、塩化カルシウム、塩化マグネシウムが使われることが多く、いずれも塩を含んでいます。鉄は水が付着すると錆びますが、塩を含んだ水が鉄に付着するとさらに鉄の腐食が進みます。そのため、路面凍結防止剤がまかれた道路を走った後はバイクが錆びないように洗車するようにしましょう。
1-3. 太陽の直射日光対策は必須
意外と見落としがちですが、冬は太陽の位置が夏に比べて低いので、太陽光が直接目ささります。また、冬は高温多湿な夏と比べると空気が乾燥しているので、日差しを遮るための空気中の水分が減り、眩しさを感じやすくなります。
特に、太陽がドライバーに対して約10度~30度の角度に位置するとき、交通事故が最も多いデータが報告されています。
冬至に近い時期は、10度~30度の角度に太陽が位置する時間が大体お昼12:50~夕方16:20(約150分)となっており、夏の16:10~17:50(約100分)と比較しても1.5倍の長さとなっています。ドライバーに対して太陽の位置が10度以下になったところは建物などで遮られるので、事故件数も下がるようです。
参考:太陽の眩しさが交通事故に与えた影響の分析
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jscejipm/67/5/67_67_I_1055/_pdf
上記の報告からも分かるように、特に夕方は太陽の位置が低くドライバーからはかなり眩しく感じるので、ヘルメットのバイザー機能を使ったり、偏光機能のあるサングラスをして走行するといいでしょう。偏光機能のあるものを使えば、周りを走る車のガラスや水面の反射などを防ぐことができ、海や川などの景色をはっきり綺麗に楽しむことができます。
参考情報:光の反射率
- 新雪:80%
- アスファルト:10%
- 水面:10~20%
1-4. 路面凍結「アイスバーン」には要注意
寒い冬は路面が凍ります。この路面凍結のことを「アイスバーン」といい、その中でも「ブラックアイスバーン」は一番たちの悪い凍結です。
ブラックアイスバーンは、地面が濡れているだけに見えるのに実際は路面が凍結しており、滑りやすくなっている状態のことをいいます。寒い冬の時期にただの道路だと思ったら滑ってこけそうになった経験はないですか。それと同じでたちの悪い凍結です。
一般的に、路面は気温が3℃を下回ると凍り始める可能性が高いので、朝早くからツーリングに出発する場合や、夜遅くに走行する場合は路面や走行スピードに注意してください。特に、橋の上や日陰は温度が低くなりやすく、路面が凍結しやすいので油断は禁物です。
あまり多くのシーンはないとは思いますが、雪道を運転する場合は、速度をしっかり落とし、走行中にフロントブレーキがロックされないように、リアブレーキを主体的に使うようにしてください。雪道を走る場合はスパイクタイヤ、スタットレスタイヤの使用も検討しましょう。
1-5. 冷えたタイヤはグリップ力が低下
気温が下がるとタイヤの空気圧が低くなり、タイヤが硬くなってしまいます。タイヤは固くなるとグリップ力が弱まり、滑りやすくなるので、長時間冷たい場所にバイクをさらしている場合はタイヤを暖めて、グリップ力を元に戻しましょう。
グリップ力を元に戻す方法としては、できるだけストレートの道で加速と減速を繰り返しタイヤに熱を入れます。この時周りの車体に迷惑がかからないように注意しましょう。コーナーでは徐々にバンク角(車体の傾き)を強くしてタイヤを元の状態(グリップ力がある状態)へと戻していきます。走っているだけでもタイヤは温まってくるので、絶対に無理はしないようにしてください。
1-6. 冬は燃費が悪化する?
冬は空気が冷たく、空気中の酸素密度が高くなっています(空気中の酸素量が多い)。エンジン部分ではこの酸素をO₂センサーが検知するとガソリンを噴射して車体を動かすパワーにしているのですが、酸素密度が高いと、一度のガソリン噴射では酸素を使いきれずガソリンを多く使ってしまいます。また、冬は暖気をする機会も増えるので、走行距離に比べてガソリンがなくなっていると感じる機会も多いでしょう。
さらに、スタットレスタイヤを使用している場合は、いつもよりタイヤの接地面積が増加しているため、タイヤの摩擦力が高くなり、燃費悪化の原因となってしまいます。
燃費が悪いのは、冬という環境上仕方ないので、ガソリンの量にはいつもより気にかけて走行する必要があります。
普段の走行で燃費が悪くなる部分は、O₂センサーが酸素密度と外気の温度に応じて適切なガソリン量の噴射ができるように技術の進歩を祈るしかなさそうです(もうすでに対応されていたら、勝手なことを言ってしまいました)。
1-7. マスクによるヘルメットの曇りに注意
新型コロナが流行する世の中でマスクを着用するのは当然の時代となりました。バイク乗りもヘルメットを外したときに対面ですぐに話せるようマスクをつけたまま走行している人が多いでしょう。
しかし、マスクの種類によってはヘルメット内部が曇りやすくなり、視界を奪われるのでかなり危険です。
バイク乗りにおススメするマスクの使用方法は、不織布マスクとウレタン製マスクのダブル使いです。ダブル使いと言っても重ねて使用するわけではなく、バイクに乗っているときとバイクに乗っていない時でマスクを使い分ける方法です。
結論から言うと、バイクに乗っているときはウレタン製マスク、バイクから降りたときは不織布マスクを使用します。
不織布マスクは風を通しにくく、口から出る水蒸気がヘルメット内部にたまってしまい、少し息をするだけでシールド部分が曇ってしまいます。それに比べてウレタン製マスクは通気性がよいため息がしやすく曇りにくいです。そのため、フルフェイスやシステムヘルメット、ジェットヘルメットを使用している方はウレタン製のものを使用するといつもより視界をクリアにした状態で走行することができます。
ただ、ウレタン製マスクを使用していても、信号待ちなどで車体が止まっているときはどうしても曇ってしまうので、システムヘルメットやジェットヘルメットを使用している方は止まっている間にヘルメットを開けておくと快適です。
1-8. 長距離ツーリングはおススメできない
冬は色々な防寒対策ができますが、長距離ツーリングで長時間冷気の中を走行していると体の熱はやっぱり奪われてしまいます。冬はできるだけ近場の観光スポットや食べ物を目的地として楽しむといいでしょう。
どうしても長距離ツーリングをしたい場合は、体が冷え切らないようにこまめに休憩をとり、暖かい食べ物や飲み物をはさみながら楽しむといいでしょう。何かを口にすると体の代謝があがり体温もあがります。コーヒーが好きな方は朝や昼食後のコーヒーも代謝アップの効果があります。
※カフェインに弱い方は夜のコーヒーは避けてください
1-9. こまめな水分補給は必須
冬の水分補給は見落としがちですが、冬は知らず知らずのうちに脱水症状になっていることがあります。体から水分が抜ける原因としては、主に尿や大便などの排泄、皮膚や呼吸から出ていく水分が挙げられます。冬は寒く汗をかきにくいので、水分補給をしなくてもいいと考えがちですが、それは間違っています。
気温が低く乾燥した空気での環境下にいると、排泄量が多くなるという報告結果もあり、冬は排泄だけで水分不足になる可能性も大いにあります。1日に失われる水分量としては、尿から1.5L、大便で0.1L、皮膚や呼吸から失われる水分が0.9Lといわれており、合計2.5Lもの水分を失っていることになります。
摂取される水分量としては、食べ物から1.0L、体で作られる水分が0.3Lといわれているので、差分の1.2Lを飲料水などで補ってあげるようにしましょう。起きている時間を16時間だとすると、16時間のうちに200mlの水を2~3時間に1回取ってあげれば水分補給としては合格ラインです。逆に、2~3時間水分補給を我慢して1回の補給で200mL(およそコップ1杯)しか飲めないと思うと水分補給のハードルも意外と低いはずです(多少水分を多くとる分には問題ありません)。
水分補給を怠ると、めまいや立ち眩み、唇の渇き、尿の色が少なく色が濃いといった症状が現れるので、体の変化もチェックしてツーリングを楽しみましょう。
こまめな水分補給については、風やウイルス感染の予防にもつながるので、冬のツーリングに限らず、普段から心掛けたいところです。
2. 冬ツーリングのメリット6選
ここまでで冬ツーリングにおける9つのデメリットについて紹介しましたが、せっかく冬ツーリングをするならメリットも知ってとことん楽しみたいですよね。
ここからは冬ツーリングの6つのメリット(魅力)について紹介します。
2-1. 綺麗な景色を楽しめる
冬は空気中の水分量が少ないだけでなく、四季のなかで最も空気中のゴミが少ないため、空気が澄んでいて景色がすごく綺麗です。特に海岸からのオーシャンビューや山から見渡す景色も絶景です。
ツーリングとカメラが趣味の方は、冬の景色ならいい絵を収めることができるため、カメラとの相性も抜群です。海がいつもより青く感じ、山から見渡す景色をいつもより鮮明に感じ取ることができるのは冬ツーリングならではの特権でしょう。
※山や海は冷えやすいので走行には十分注意してください。
2-2. 暖かい食べ物が美味しい
冬といえば、鍋やおでん、ラーメン、コーヒーなど暖かい食べ物や飲み物がとても美味しく感じますよね。そんな暖かい美味しい食べ物を目当てにツーリングに出かけるのも冬ツーリングの魅力です。私個人的には夏場に冷たいものを食べるより、冬場に暖かいものを食べる方が美味しく感じます。
カップラーメンを買って自分で湯を沸かして食べるツーリングを楽しむもよし、美味しいお店を目的地にして暖かいご飯をツーリング仲間と楽しむのもいいですね。もちろん一人でご飯を満喫するツーリングコースもすごく楽しめます。
2-3. キャンプ、グランピングのアウトドアが楽しめる
バイク × アウトドアといえば、キャンプやグランピングが思い浮かぶでしょう。極寒の中、キャンプの火を起こして暖をとったり、グランピングの施設の中でゆっくり暖まるのは至福の時間です。
キャンプの場合は食材などの荷物がかさばりますが、グランピングの場合は食事の準備から片付けまで専用のスタッフが担当してくれるところが多いです。そのため、ハードルも高くなく、手ぶらで参加するだけで最高の一日を楽しむことができます。
2-4. 冬の温泉は格別
寒い冬だからこそ、暖かいスポットを求めてツーリングに出かけるという方も少なくないと思います。なかでも代表的な冬のスポットといえばやっぱり「温泉」です。
温泉はツーリングで冷えた体を暖めてくれると同時に、ガチガチに固まった疲れた体を癒してくれます。温泉によっては、雪や夜空など冬ならではの綺麗な景色を楽しみながら満喫できる場所もあるので、そのような温泉を目的地として冬のツーリングに出かけるのも魅力の1つです。
ただし、温泉での注意点として、次の3つには気を付けてください。
- 温泉の前後で必ず水分補給すること
- ドライヤーでしっかりと髪を乾かすこと
- 汗がひいてから衣服を着ること
1つ目は水分補給です。冬は知らず知らずのうちに水分を失っているので、必ず水分補給は忘れないようにしましょう。温泉から上がった後は暖かい飲み物もおすすめです。
2つ目と3つ目は湯冷め対策です。暖まるために温泉に行っても湯冷めしてしまっては台無しです。湯冷めは、体に付着した水分が蒸発したり、体表の血管が開いていることで熱が必要以上に奪われることによって起こります。温泉から上がったら、まずは体の表面についた水分を全て吹き飛ばしましょう。また、衣服を着るタイミングは汗がひいてからにしましょう。
その他の湯冷め対策としては、温泉から上がる前に手足に水をかけるのも表面の血管が引き締まり効果的です。
温泉施設の中は暖かいところが大半なので、すぐに外へは出ず、ひと段落してから動き出すようにしましょう。最低でも入浴後30分くらいを目安に温泉施設をのんびりと満喫すれば湯冷めも起こりにくく、温泉巡りも可能です。
2-5. 防寒具のコーディネートが楽しめる
「1.冬は寒さが最大の敵、体感温度に注意」の「防寒対策について」で紹介したように、冬は本当に多くの防寒対策が存在します。多く決めることがあってめんどくさいと思えばそれでおしまいですが、ツーリングの一環として自分だけのコーディネートを楽しめば、冬ツーリングに対するモチベーションも倍増です。
防寒具のコーディネートには、ライダー自身の寒さを守るためのものとバイクに取り付けるものがあるので、納得のできるコーディネートを見つけて、ツーリングに臨みましょう。
2-6. エンジンパワーがアップ
冬ツーリングにおけるデメリット6つ目の「1-6.冬は燃費が悪化する?」の逆の考え方なのですが、冬は空気が冷たく酸素密度が高いとお伝えしました。車体を動かすパワーの元はガソリンなので、O₂センターが酸素を検知してガソリンを多く出せば出すほどその分エンジンパワーもアップします。
このことを「冬はスピードが出やすいから危ない」と考えることもできますが、バイクに乗ってツーリングを楽しむ以上、バイクのスピードを楽しむのも魅力です。
エンジンのパワーがアップしているのは冬ツーリングならではの魅力なので、しっかりとスピードを感じながら楽しんでください。もちろん法定速度は法律厳守でしっかりと守りましょう。
まとめ
この記事では、冬ツーリングのデメリット9つとその対策、また6つのメリットについて紹介しました。冬のツーリングはデメリットの方が多いですが、本当のバイク好きならそのデメリットをしっかりと把握し、デメリットや注意点に対する対策を実践してからツーリングに臨むべきです。冬はとにかく寒いので、まずは寒さから体を守る防寒対策を第一に取り入れてみてください。
あなたが思う快適な冬のツーリングに一歩でも前進できることを願っています。
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