【基本情報技術者試験】合格できる学習方法~無料で過去問を解く方法も!~

【基本情報技術者試験】合格できる学習方法~無料で過去問を解く方法も!~

 この記事を見ているということは、少なからずあなたは基本情報技術者試験という資格に興味を持っていると思います。あなたはどんな目的でこの資格を取ろうと思っていますか?自身のスキルを試したいため、周囲の信頼獲得のため、新しい分野を開拓したいため、就活でアピールするためなど、たくさん理由はあると思います。

 この記事では、合格したいと思っているあなたに、基本情報技術者試験についての難易度や学習方法、また合格してから役に立ったことについて筆者なりに感じたことを紹介します。

1. 基本情報技術者試験とは

 まず初めにお伝えしておきます。基本情報技術者試験は国家試験です。筆者が取得してみようと思ったのも、国家試験に合格して資格を保有してみたいと思ったからです。(簡単に言うと自己満ですね笑)

 この試験に合格すれば、「情報を扱う技術者としての基本を身に付けることができている」と判断される資格であると言えるでしょう。

 1-1. 概要について

基本情報技術者試験の概要
午前試験 午後試験
試験時間 9:30~12:00(150分) 13:00~15:30(150分)
出題形式 多肢選択式(四肢択一) 多肢選択式
出題数 出題数:80問 出題数:11問
解答数 解答数:80問 解答数:5問(セキュリティ、アルゴリズムは解答必須)
合格基準 6割(48問:60点以上で合格) 6割(60点以上で合格)

 基本情報処理技術者試験(FE)については、情報処理推進機構(IPA)のサイトに掲載されています。FEのページを見てみると、FE紹介タイトルの部分に「~ITエンジニアの登竜門~」と記載されています。その通りで、IT企業に就職すれば必ずと言っていいほど、この資格を取得することが勧められます。というか取得必須の資格と言っていいです。情報処理資格で最初に躓く方はこの基本情報技術者試験だという方が多いので、この試験を乗り越えれば、客観的に立派なITエンジニアとしての一員となれるでしょう。これが、ITエンジニアの登竜門ともいわれている所以です。

 いきなり基本情報技術者試験に挑戦するのが厳しいと思う方は、ITパスポートという少し優しめの試験から挑戦してみることをおすすめします。ただ、お金と時間がその分必要にはなります。かといって基本情報技術者試験に落ちてしまってもお金は消費してしまいます。なので、少しずつランクアップさせたい方はITパスポートから受験するのもいいでしょう。

 もう一つ、IPAのFEページには「上位者の指導の下に~できる」という文言が多く出現します。IT企業に入社してからで例えるならば、トレーナーや先輩、上司の助言を基に、情報処理関連に基づいた作業が行えるということです。資格を取得したからと言ってすぐに実践的にできるわけではありませんが、そこは何度か失敗も経験して仕事を覚えていくのがいいでしょう。

 1-2. 難易度・合格率

 基本情報技術者試験の合格率については、およそ25%となっています。単純計算で4人に1人が合格ということですね。受験会場の教室に40人の受験者がいるとしたら10人しか受かっていないことを考えると、なかなか難易度は高い資格であると言えますね。IPAの統計情報を基に独自で作成してみたのですが、年度別合格率の推移は以下のグラフのようになっています。

 グラフを見る限り、合格率は徐々にですが上昇傾向にあるようです。考えられることとしては、分かり易い参考書が多く発売されていることや、受験者そのもののレベルが高くなっていることが考えられます。ICTやIoT、AIなどの技術の発展によって情報処理に対する意識が高まっているとも考えられますね。令和元年12月20日時点では、合格者は2,780,995人います。

ちなみに、ITパスポートの合格率は50%前後となっています。年度によっては80%越えでもあるので、ちょっと勉強すれば合格すること間違いないでしょう。

2. 学習方法について

 読書はお好きですか?勉強にしろ資格取得にしろ、基本は目から情報を取り入れて文字を読み、情報をインプットすることが一般的だと思います。英語のリスニング等は除いて、耳で音を聞くだけの勉強をすることは図解などが理解できないため、難しいでしょう。幸いにも私自身は、読書や勉強を苦痛すぎるとは思わなかったため、基本的には参考書を読み、過去問を解くことで一発合格に至りました。

 2-1. 筆者が実践した学習方法

 効率的に勉強するための学習方法には、いくつか手順があります。ここではその手順を紹介します。

  2-1-1. 基本情報技術者試験について調査する

 そうです。まずは基本情報技術者試験の調査です。どんな試験なのかを知らなければ、どんな勉強をすればいいかもわかりません。そこで、まずは基本情報技術者試験の情報が載っているIPAのサイトや、今あなたがみているこのようなサイトをあさります。筆者おすすめのサイトは「基本情報技術者試験ドットコム」です。このサイトには情報技術者試験のあらゆる情報から過去問、おすすめ参考書まで掲載されているため、この情報だけでいいのではないかというレベルです。そうは言っても実際に受験した人の勉強方法や感想等を知りたいたいという方は、このような記事を参考にしてもいいでしょう。しかし、受験者のレベルがあなたと同じとは限らないため、全ての情報を鵜呑みにするのはよくありませんよ。

 ちなみに平成29年度秋期に受験した筆者の立場としては、情報系学部に通っている普通の大学3年生という感じでした。知識レベルとしては、ExcelやWordなどの基本操作はでき、C#という言語を用いて、ある程度のプログラムが記述できる状態でした。大学の講義でもFEに出てくるような内容を扱うことがあるという状態でした。情報系出身で有利だと思っていましたが、実際にFEの勉強を始めてみると自分の知らない内容がたくさんありました。情報系であるメリットとしては、以下のことが考えられます。

  • 情報処理の勉強に取り組みやすい
  • 参考書に聞いたことのある単語がいくつか出てくる
  • プログラミング経験があれば、午後問題のアルゴリズムにそこまで力を注がなくてもよい

 情報系の方は短期間でとるには有利ですが、油断していると痛い目を見ると思うので、努力を惜しまずに頑張りましょう!

  2-1-2. 基本情報技術者試験の参考書を購入する

 基本情報技術者試験の概要が分かったら、自分のレベルを認識して、自分に合った参考書を書店もしくはネットで購入します。この時注意するべきことは、絶対に1冊の参考書だけを購入することです。数冊購入してしまうとタスクがその分増えるのでよくないですし、モチベーションも上がりにくいです。必ず参考書は1冊にしましょう。筆者も一冊の参考書だけで合格しました。筆者が購入した参考書は、「キタミ式イラストIT塾 基本情報技術者」です。以下にリンク張っておきます。参考書を購入するときに、ついでに過去問も購入するという人がいますが、過去問は参考書の全てのページを読み終えたら書店まで買いに行きましょう。個人的に、モチベーションは参考書等を書店で買った直後が一番高まるので、過去問も同様にモチベーションを高めてから取り組みましょう。

  2-1-3. 基本情報技術者試験の参考書を読み切る

 購入した参考書をまずはわからなくても一周は読みましょう。先ほど紹介したテキストの良いところは、情報系のことを初めて勉強する人に対しても優しく解説が書いてあるところです。そのため、初学者なら誰しも素晴らしい参考書だと思えるはずです。情報系のことがある程度わかっている人でも、内容を理解するだけでなく、アウトプットする力が自然に身につくと思います。

 読み進めるコツとしては、テキストの内容が章立てなので2日で1章分を読み切るといった目標を立てて進めていくことです。章や節の終わりに問題がついているので、その問題は必ず解いてください。基本的に問題の答えはテキストに記載してあります。どうしてもその答えで納得できないものは、もう一度考えてみたり、ググって自身の知識を蓄えましょう。

  2-1-4. 基本情報技術者試験の過去問を繰り返し解く

 最後は過去問です。筆者の場合、参考書は理解するまで次のページに進まないというスタンスで読み進めていたので、参考書を1周読み終えると過去問に移りました。(この時、もちろん参考書の内容がすべて入っているわけではありません。何となくわかっているかな?という状態です)

 基本情報技術者試験は、午前試験と午後試験があるため、まずは過去問で午前の対策をしました。午前対策として利用したものは先ほども紹介したサイト、「基本情報技術者試験ドットコム」です。

出典:基本情報技術者試験ドットコム

https://www.fe-siken.com/

 このサイトには過去問道場というものがあります。過去問道場では平成13年度春期から最新の過去問までを解くことができます。スマホからでも簡単にアクセスして解くことができるので、電車に乗っている時間や暇な時間を活用して問題を10回分ほど解きました。ここで注意したいことがあるのですが、午前問題に関しては過去最新の2回分は出題されない傾向にあるので、過去2回分より前の10回分を解き切ることをおすすめします。また、午前問題は過去問から使いまわしの問題が4割ほど出題されるので、合格点の6割を得点するためには残りの2割を自力で頑張ればよいということになります。その2割の問題も過去問と文言は違えど、同様の問題が含まれることを考えると、過去問の重要性が分かりますね。

 午後問題の対策としては、過去問演習が合格への一番の近道です。午後問題は長文問題を5問解答しなければいけません。午後問題に限った話ではありませんが、過去問演習では問題の傾向をつかむことができるだけでなく、時間配分も感覚として身に付けることができるので、本試験対策としてはばっちりです。11問の中から自分が得意な5問を見つけておくといいでしょう。筆者が午後対策に使用していたテキストは以下です。(友達に過去問を一時的に借りていたので、午後対策用のテキスト代はかかりませんでした。笑)

 午前・午後問題に限らず、過去問演習をしていて忘れた知識があった場合は、必ずテキストに戻って読み返してみてください。基本的に過去問に着手した後は、参考書と過去問の繰り返しです。

3. おすすめ参考書・サイト

 筆者がおすすめしたい参考書・サイトは、ずばり今までに登場してきたものです。参考書の良かった点、いまいちな点などを簡単に紹介します。

 3-1. キタミ式イラストIT塾 基本情報技術者

 なんといっても初学者にはこのテキストはありがたいです。難しい内容も上手くかみ砕いて説明されており、例も多くあるので、分かり易さの極みといってもいいでしょう。筆者の主観ですが、参考書の分かり易さでいえば圧倒的No.1だと思います。デメリットを強いて挙げるならば、初学者向けであるため知識量としては他の参考書に比べると少し乏しいかもしれないところですね。しかし、本試験では過去問が多くの割合を占めているので、このテキストで基本的な知識をしっかりを身に付けた後、過去問でも知識を身に付けていけば怖いものなしです。

 

 3-2. 基本情報技術者 パーフェクトラーニング過去問題集

 この過去問の魅力は、多くの過去問が収録されていることでしょう。解説もしっかりとされているので、筆者としては、この参考書は本当に役立ちました。午後問題は「情報セキュリティ」と「データ構造及びアルゴリズム」が解答必須なので、このテキストを利用して、必須問題強化と得意分野をさらに磨いてみてください。

 現時点のamazon価格は1,628円で、ページ数は624ページあります。

 3-3. 基本情報技術者試験ドットコム

出典:基本情報技術者試験ドットコム

https://www.fe-siken.com/

 このサイトは、午前問題の対策で大活躍しました!サイトのメリットとしては、スマホ1つあればどこでも気軽に問題が解けるということです。筆者は電車の時間を活用していました。集中したい時はスマホと紙切れを机の上において、正解したかどうかを紙に記録したりしていました。出題傾向等も載っているのでそちらを参考にするとなおよいでしょう。

4. 過去問を無料で解く方法

 資格を取るのに、あまりお金をかけたくないという方も少なくないと思います。私自身もそういう気持ちでした。私がこの資格取得のためにかけたお金は、以下になります。

  • 参考書(キタミ式イラストIT塾 基本情報技術者):約2,000円
  • 受験料:5,700円
  • 受験料振込手数料:多くて300円くらい?
  • 試験会場までの交通費(行き帰り):1,000円くらい?
  • 合計:約9,000円

 1万円はいきませんでしたが、資格を取得するには意外とお金がかかるもんですね。私は過去問を友人から借りることができたため、過去問のお金がかかりませんでした。安心してください。借りられる人がいない方でも自分でダウンロードして印刷する方法があります。それは、IPA公式ページの過去問です。

出典:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構:過去問

https://www.jitec.ipa.go.jp/1_04hanni_sukiru/_index_mondai.html

 著作権に配慮すれば、自身でダウンロードすることも可能なので、ぜひ有効活用してみてください。市販の過去問よりも解説は少ないですが、答えを見て理解できる人ならめちゃくちゃ役に立つはずです。

せっかく受験するなら、一発で合格できるように頑張ってください!

5. 資格を取得してよかったと思うこと

 基本情報技術者試験に合格してよかったことはたくさんあります。まず合格と分かった時に達成感が得られたことです。笑 合格することでさらに上の資格取得を目指そうというモチベーションにもつながったので、自身のスキル向上を続けられる方にはすごく嬉しいことです。また、FE受験当時の私は大学3年だったので、これから就活を控えている立場としては資格でアピールできる強みになりました。就活の際はSIer業界を中心に見ていたのですが、基本情報技術者試験に合格しているということを人事の方に評価してくださったり、面接においてもすごいねと言われることがあったので就活が有利になったのは間違いないと思います。(就活のときは資格取得のことではなく、他のことでアピールをしていましたが履歴書を見られると必ずといっていいほど評価されました。)

 入社後は、システム用語や社内特有の用語、またビジネスの現場でよく使われているカタカナ語が飛び交いますが、システム用語に関してはある程度理解できたので、基本情報技術者試験を学習しておいてすごくよかったと思いました。これは合格に限った話ではないですが、合格をしていると仕事を任せてもらえたり、ちょっとしたことを頼られる機会は多くなると思います。

まとめ

 基本情報技術者試験のことについて何となくわかっていただけたのではないでしょうか?IT業界に従事している方はもちろん、興味を持っている方も取得してみてはいかがですか?情報処理に関わる資格はこれからさらに需要が高まっていくと思うので、今のうちに取得してみては損はしないと思います。無理に取得する必要はありませんが、自分の価値も周囲からの評価も上がる良い資格だと思いますよ。

 努力した分は糧となって自分に返ってくると思うので、失敗してしまってもめげずに頑張ってみてください。

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